天魔王 第二話「婚姻」
「クレフ、ただいま王の命を果たし、帰還致しました!」
ここは、オースの街の城。
クレフが王の間でクライスに討伐完了の報告をしている。
クライスの隣には王女であるソフィアも一緒に報告を聞いている。
「クレフよ。よくぞ魔王を討伐してくれた。いくら礼をいっても足らんくらいだ。褒美は望むままに与えよう」
「いえ、クライス様。私は命に従ったまでです」
「なんという謙虚な態度だ。そうだな……」
クライスは少し黙って考えた。
「そうだ!では、おぬしをこのソフィアの婚約者にしよう!」
「ええっ!!?」
いきなりのクライスの発言にクレフは驚きを隠せないで、慌てふためいている。
「い、いえっ、それは非常に喜ばしいことですが、ソフィア様の意向を無視して話を進めるわけには……」
クレフが慌てているのを尻目に、ソフィアが急に口を開いた。
「私はよろしいですよ」
「ええっ!!?」
クレフはまたも驚いた。
「そうか、ソフィアよ。おぬしも良いのであれば、話は早い。
よし、決定!おぬしたちは今日から婚約者だ!!」
「それでは、よろしくお願いしますね、クレフ」
ソフィア頬を赤めながらクレフに声をかけた。
「は、はぃ………」
クレフも頬を赤めながらなんとか返事をした。
魔王を討伐したクレフは勇者としてその名を世界中に轟かせており、
このことは瞬く間に天使・人間族に伝わった。
天使族の王女と魔王を討伐した勇者との婚姻発表である。
みながそれを祝福した。
・
・
・
・
オースの街外れにいる一人を除いて……。
「ほぅ……あのクレフとかいうやつは天使族の王女と婚姻するのか……」
一見普通の人間にしか見えないが、この人間には魔王ガレスが取り付いていた。
「あの王女には、確か面白い力が眠っているはずだったな…」
ガレスは、戦争を起こす前に調べた特殊能力者のリストにソフィアの名があったことを思い出した。
「しかも、天使族に相応しくない能力がな……。ならば……」
ガレスは口元を緩めて考えた。
「クレフへの復讐と私の野望を一気に実現するのにも好都合だしな…」
「あのソフィア王女の身体を、次の私の身体にしようか……ククク……」
そういうと、ガレスは気配を消し、街中へと消えていった。
短いですね。次から本番です。
ここは、オースの街の城。
クレフが王の間でクライスに討伐完了の報告をしている。
クライスの隣には王女であるソフィアも一緒に報告を聞いている。
「クレフよ。よくぞ魔王を討伐してくれた。いくら礼をいっても足らんくらいだ。褒美は望むままに与えよう」
「いえ、クライス様。私は命に従ったまでです」
「なんという謙虚な態度だ。そうだな……」
クライスは少し黙って考えた。
「そうだ!では、おぬしをこのソフィアの婚約者にしよう!」
「ええっ!!?」
いきなりのクライスの発言にクレフは驚きを隠せないで、慌てふためいている。
「い、いえっ、それは非常に喜ばしいことですが、ソフィア様の意向を無視して話を進めるわけには……」
クレフが慌てているのを尻目に、ソフィアが急に口を開いた。
「私はよろしいですよ」
「ええっ!!?」
クレフはまたも驚いた。
「そうか、ソフィアよ。おぬしも良いのであれば、話は早い。
よし、決定!おぬしたちは今日から婚約者だ!!」
「それでは、よろしくお願いしますね、クレフ」
ソフィア頬を赤めながらクレフに声をかけた。
「は、はぃ………」
クレフも頬を赤めながらなんとか返事をした。
魔王を討伐したクレフは勇者としてその名を世界中に轟かせており、
このことは瞬く間に天使・人間族に伝わった。
天使族の王女と魔王を討伐した勇者との婚姻発表である。
みながそれを祝福した。
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オースの街外れにいる一人を除いて……。
「ほぅ……あのクレフとかいうやつは天使族の王女と婚姻するのか……」
一見普通の人間にしか見えないが、この人間には魔王ガレスが取り付いていた。
「あの王女には、確か面白い力が眠っているはずだったな…」
ガレスは、戦争を起こす前に調べた特殊能力者のリストにソフィアの名があったことを思い出した。
「しかも、天使族に相応しくない能力がな……。ならば……」
ガレスは口元を緩めて考えた。
「クレフへの復讐と私の野望を一気に実現するのにも好都合だしな…」
「あのソフィア王女の身体を、次の私の身体にしようか……ククク……」
そういうと、ガレスは気配を消し、街中へと消えていった。
短いですね。次から本番です。