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悪夢 第三話「とりあえず…」



「お、俺……!?」
「わ、私……!?」
俺たちは声を揃えて驚いた。
当然だ、目の前に自分がいるんだから…。
「も、もしかして俺たち入れ替わったのか…?」
「い、入れ替わり…!?
 そ、そんな私、こんなのイヤ…!!」
俺が女言葉でイヤイヤと首を振っている。
とても気持ち悪い…。
「と、とにかくもう一度頭をぶつけてみよう。
 そうすれば、元に戻るかもしれないし」
「そ、そうね…」

俺の提案に彼女も賛成のようで、それから何度も頭をぶつけた。
角度や方向も変えていろいろやってみた…。
それでも元には戻らなかった。
「どうしたもんか……、あっ…!?
 そういえば、もうそろそろ時間だ!!」
バスの出発時刻までもう10分しかなかった。
ここからだとギリギリだ。
「急がないと……で、でもこの身体じゃ……。
 そ、そうだ!君が俺の身体で合宿に行って来てよ」
自己紹介も兼ねて、俺は簡単に事情を説明した。

「で、でも、私が免許取っても意味ないんじゃ…?」
「別にいいよ。とりあえずは免許さえあればなんとかなるだろうし…。
 頼む!!!元に戻ったら、お礼は十分にするから!!」
俺はもう土下座しそうな勢いで彼女に頼み込んだ。
「し、しょうがないなぁ……。
 わかったわ、行ってきてあげる。
 ちょっと面白そうだしね。
 そのかわり、私の身体で変なことしないでよ!」
「あ、ありがとう!!
 もちろん何もしないよ!
 一応、後で自分の携帯にメール入れてくれ、返信するから。
 それで近況報告しよう」
「わかった…。それじゃあ、20日間だけ男の身体で頑張ってくるわ」
「恩に着る!!ありがとう!!」

そして、俺の姿をした彼女は駅へ走っていった。
ありがたい、これで俺の就職も何とかなるだろう。
あとは、彼女として20日間頑張らないとな…!!


俺はとりあえず、彼女の家に向かった。
場所は別れる前に聞いていたし、すぐに到着した。
鍵を開け、家に入る。
結構大きな家だ。
「連休中は家族がいないって言ってたから、
 今のうちに家のことを確認しておかなくっちゃな…」

俺は30分ほど、家の中を確認した。
彼女の部屋は二階の奥にあった。
「今の俺は宮下由奈っていう女の子なんだから、この部屋に入るのは当然なんだよな…」
少し戸惑いながらも部屋に入る。

入ってみると、そこは俺が考えていた『今時の女の子の部屋』みたいな感じではなく…
「なんだ、別に普通の部屋だな…」
別に『女の子の部屋』っぽさは感じられなかった。
「だが、かなり綺麗だな。これから20日間はここで過ごすんだよな…」

それから部屋の中を漁った。
別に変な意味はない。
これからの生活に必要だと思ったからだ。
まぁ……下着やらは見てしまったが……。
かなりきわどい下着もあったし、服もたくさんあった。
「かなり金持ちなんだな…。
 でも、これだけの服があると、毎日のファッションが楽しそうだ!」
そう考えると、今の状況も幾分かは楽しめそうだった。

ピロリロリン…ピロリロリン…
携帯が鳴った。
携帯を開けてみる。待ち受けは男ともツーショットだった。
とりあえず、なんだったのか確認したら、メールだった。
自分の携帯ではないので少し時間がかかったが、メールを開けてみると、
彼女、由奈ちゃんからだった。

『言い忘れてたけど、彼氏の隆とは付かず離れずの関係でいてね。
 変なことされるのも嫌だけど、別れるのも嫌だし…。
 とりあえず、連休中は家に来ないと思うから大丈夫。
 こっちも頑張るから、そっちも頑張ってね』

そうか、彼氏がいるんだ…。
付かず離れずか…。
まぁ、男に抱かれるのも嫌だし、ちょうどいいかな。

『わかった。また何か困ったら連絡する。
 そっちは知り合いもいないだろうし、頑張ってくれ』

すぐに返信した。
まぁ、向こうはなんとかなるだろう。
彼女の言う通り、こっちもがんばらないとな…。

ピンポーン!

家のチャイムが鳴った。
困ったぞ、今家には俺しかいない。
出て行って、由奈ちゃんの知り合いとかだったらどうしよう。
いきなり由奈ちゃんとしても演技をしなくちゃいけなくなった。
(よ、よし!頑張ろう!!)
俺は緊張しながらも、張り切って玄関まで行った。

「はーい、どちら様ですか?」
ドアの向こうに立っているだろう人物に声をかける。
(よ、よしちゃんと出来てるな…)
「俺だよ、俺、隆。
 開けて。部活休みになっちゃてさ。
 急に由奈の顔見たくなって」
ドアの向こうに立っているのは、彼氏の隆のようだった。
(な、なにぃ~!?
 連休中は来ないんじゃなかったのか…!?
 どうする、どうする俺。
 彼氏じゃあ、家に入れないのは変だから、入れるしかないのか?)
「わ、わかった。今、開けるね…」
戸惑いながらも、俺はドアを開けた。
そこにいたのは、携帯の待ちうけに由奈ちゃんと二人で写っていた男だった。
(ど、どうしよう…!?)


この隆との訪れが、俺の新しい日々の第一歩だった。





ごめんなさい、全然エロくないですね。
そろそろなんで、ご勘弁を…。

悪夢 第二話「憂鬱な毎日」



俺の名前は村井祐二。
地方だが一応国立の大学を卒業して、そこそこの企業に就職したのが10年前。
今は33歳。
家族どころか、恋人さえいない毎日を過ごしていた。
このまま適当に毎日を過ごしていくんだなぁ~と思っていた。
でも、平和に過ごせるならそれもいいか……とさえ考えていた。
けれども、そんな考えは脆くも砕け散った。
昨今の不況の影響で、俺はリストラされてしまった。
確かに大した成績も出しておらず、資格もほとんど持っていない俺は格好のリストラ対象だろう。
けれども、俺にも生活がある。
10年間でかなりの貯金はあったので当分の生活には困らないが、仕事は続けなければならない。
俺は当然の如く、就職活動を始めた。

しかし、なかなか決まらない。
やはり資格を持っていないというのが響くのか、どこにも採用されなかった。
そんな毎日が2ヶ月も続いた。

そんなある日、ハローワークに行くと、俺に合った職種の募集があった。
ここの条件は最高だ。
ここで働きたい。
そう思った。
けれども、要:普通自動車免許という欄に俺はため息をついた。
(またかぁ………んっ?)
募集をよく見てみると、採用面接があり、その日付は三週間後だった。
(これなら、合宿とかで免許がとれるんじゃないか……?)
俺は急いで、自動車学校に問い合わせた。
すると、合宿なら20日以内で取得可能とのことだった。
俺は即日合宿への参加を申し込んだ。
ちょうど今日の夕方に出発するとのことだったので、急いで家に帰り支度をした。
(よし、これで免許が取れれば、就職もいけそうだ…!
 そうしたら……ハハハ……)
免許を取るだけなのに、俺は就職のことまで考えてしまっていた。
ふと時計を見ると4:00だった。
合宿へのバスの出発時刻は4:30。
家から駅までそこそこ時間がかかる。
「や、やばい……!」
急いで家を飛び出した。

走ること5分。
駅の近くの住宅街まで来た。
だが、まだまだ走る。
もし間に合わなくなったらお終いだ。
そう考え、周りも見ずに走って四つ角に差し掛かったその時……!!

ドンッ!!

誰かとぶつかってしまった。
(しまった……めんどうだな……間に合うか…?)
かなり頭がふらふらする中も、時間のことを考えていた。
目がチカチカするが、なんとか視界が開けてきた。
(相手が普通の人なら、トンズラするか…?)
相手を見る。
大きなバッグを持った男性だった。
相手もこちらをジロジロと見ている。
よく見ると、相手が手に持っているのは俺のバッグと同じものだ。
(こいつも合宿にでも行くのか…?)
だが、よく見ると靴も服も一緒だ。
(すごい偶然だな…)
さらに目線を上げていくと、顔も一緒だ。
(顔まで一緒とは……すご………!???)
(顔も一緒…!!??どういうことだ!?
 村井祐二はここにいる俺だろ…!)
自分の身体を見てみると、先ほどまでの服とは違っていた。
靴はローファーを履いていて、靴下は黒だった。
なにより、膝や太ももといった地肌が見えていた。
なぜか色白になっていた。
そして、なぜか茶色のチェックのスカートらしきものをはいていた。
(おかしい……)
真下を見てみると、赤いリボンとブレザーと胸の膨らみが見える。
さらに、肩にまで髪がかかっていた。
(こ、これは…もしかして………!?)

これが、俺の新しい日々の始まりだった。

悪夢 第一話「退屈な毎日」


私は暗くて狭い部屋から夜空を見ている。
星が輝き、綺麗な夜空だ。
二年前までなら、そう考えていたことだろう。
今となっては、そんなことを思うこともなくなった。
私が今いるのは刑務所の独房の中。
夜空が見えるのは鉄格子の隙間から。
ここに入ってからまだ一ヶ月。
最高裁まで争った末、禁固15年と言い渡されたので、まだまだ先は長い。
今、ワタシはどうしているのだろう。
15年後、ワタシはどうなっているのだろう。
いや、出所したとしてもワタシを探すのは難しいかもしれない。
私はもっと毎日を楽しく過ごせたはずだ。あんな退屈な日々でも。
あのときに、あんなことさえ起こらなければ……。
もっとあいつのことを疑っていれば……。



「いってきま~す」
私は家を出た。
8:00の電車に乗らなければ遅刻してしまうので駆け足で駅まで急ぐ。
少し寝坊もしたし、本当に急がなければならない。
今日は連休の前の金曜日。こんな日に遅刻して、先生に叱られるのは気が滅入る。
まぁ、連休は家族で私一人何も予定がないんだけど…。

プシュー

なんとか電車に間に合った。
今日も混んでいる。

(痴漢とか出ないよね…?)

(そろそろ寒くなってきたかなぁ…)

(連休中は、家に一人だけど、どうしよう…。隆も部活だって言ってたし……)

そんなことを考えながら朝の時間は過ぎていった。


なんとか遅刻せずに登校できた。
授業をしっかりと受け、昼ごはんを隆と屋上で食べ、また授業。
そういった何気ない一日が過ぎていった。
今日も一日が終わった。
私の一日は、学校でほとんど終わる。
家では家族であまり会話しないから……。

私の名前は宮下由奈。高校一年生。
家族は、医者の両親と大学生の兄。
三人とも、私にとっては雲の上のような存在。
私も一応は進学校に通ってはいるが、到底敵わない。
まぁ、病院は私が継ぐわけじゃないし、裕福な生活だと思うし、今の家族関係に不満はない。
暇だということを除けば。

今日も、そんな暇な一日。
隆は部活で一緒に帰れないそうだ。
なんだか近頃、倦怠期ってやつかな…?
付き合い始めて三ヶ月。
一応、することはしているが、最近はご無沙汰。
一緒にいると楽しいんだけど、何かが違う。
あ~あ、本当に暇!

そんなことを思いながら、駅から家までの道を一人で歩いていた。
あたりは少し薄暗くなってきていた。
少し速く歩こう。

私は少し足を速めた。
住宅街の四つ角に差し掛かったそのとき、急に男の人が飛び出してきた。
危ないっ…!!
そう思ったけど、間に合わなかったみたい。
私とその人はお互いに頭をぶつけた。
二人は道に倒れる。



頭がクラクラする。
本当に痛い。
私も石頭のつもりだったけど、向こうも相当な石頭だったみたい。
「イタタタ……大丈夫ですか…?」
目もまだ閉じたままだが一応、相手のことも気にしてみる。
最初から相手を責めては駄目だと思ったから。
でも、何か違和感を覚えた。
なんだろう…?
何かいつもと違うような……。
でもとりあえず、目を開く。

目の前にいたのは、私と同じ高校の制服を着た髪の長い女の子だった。
(あれ、ぶつかったのは男の人だったような…?)
地べたに尻餅をついているのでスカートの中が丸見えだ。
(白か。今日の私と同じね…)
身体を見ると、髪が肩までかかっている。
黒くて綺麗な髪だ。
胸もそこそこあるようだ。
(私と似てるなぁ~)
顔を見る。
整った顔立ち、綺麗な目、綺麗な肌。
(かなりの美少女ね……)
その子をじろじろと観察していた私だったが、ようやく頭がはっきりとしてきたようだ。
なんだか目の前の女の子に見覚えがあるのだ。
でも……
(あれ……なんで……?)
私の目の前にいたのは、私だった。
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